はじめに
初めまして! 債務整理中央事務局/編集部キャップの「元・タジュウ」と申します。
当サイトは借金を減らしたい!ゼロにしたい!と考えている方向けのコンテンツです。
債務整理とは、語弊無くざっくり簡単に言うと、「借金を減らす」「借金を0にする」という借金をダイエットさせるか、まるっとゼロカロリーにする魔法のような制度。債務者にとっては何とも都合のよい夢のようなスペシャルメニューの事です。
かったるい説明はいい、債務整理については大体理解しており、すぐに相談や依頼をしたい!と既に条件がクリアなら、弁護士検索から地域などの条件を選び即座に最適な弁護士や司法書士を探し出しましょう。
まだよくわからない、迷っているなら、各先生方に様々な事例を公開して頂いている、実績実例検索であなたの現状にピッタリ合う事例を瞬時に見つけて実際に債務整理を行った方々の借金がどうなったか見てみましょう。
借金を減らせるのはなんとなく分かるが、そもそも債務整理についてよくわからん。という方はこの記事中程まですっ飛ばして法的債務整理とは?を御覧頂ければ幸いです。
まず「元・タジュウ」このペンネームの由来をご説明し自己紹介に代えさせて頂きます。
多重債務。この言葉を見て皆さんはどう思われるでしょうか? 多くの方は自分には単に無縁の世界・・・と感じると思います。あるいは、ナニワ金融道や賭博黙示録カイジ、闇金ウシジマくん等、「借金取りから逃げ回る」系の漫画を思い起こされる方もいるかと思います。
私もカイジが好きで、若い頃愛読しておりました(ちなみにアカギも大ファンです!)。無能どもがこんなに借金を抱え取立てから逃げ回って・・・本当に情けない奴らだ!と登場人物達を嘲笑いながら読んでいたものです。こんな奴本当にいるのか!?
さてそのおよそ10年後。なんと自分がその「こんな奴 = 多重債務者」になってしまったのです。闇金ではなく銀行カードローン & クレジットカードの多重債務なのでカイジとは少し違いますが、借金の取立てに怯えて暮らす日々という意味では同じです(泣)。これで奇妙なペンネームの由来がご理解頂けたかと思います!
但し、単に「タジュウ」ではなく「元」とついています。これは法的債務整理を何とか活用して借金を帳消しに出来たためです。
本稿は元リアル多重債務者で、なお極貧だが借金はもう無い元・タジュウが、同じような悩みを抱えている方に法的整理及び専門家(弁護士・司法書士)の活用方法を分かりやすく & フレンドリーに解説するのが目的です。専門的な法律用語はなるべく避け、分かりやすく!をモットーに。元リアルなので真実味、迫力(?)があるかと思います。
バックグラウンド
絶頂期
まず、私がどういう情けない人生を送って「タジュウ」になったかをサマリーでお伝えします。なおこの記事は連載モノになっており、本稿では私の簡単な自己紹介と法的債務整理の概略を、これ以後の稿ではタジュウ人生の細かいナレーションに載せて法的整理債務の実際的プロセスをご説明する予定です。
私はいわゆるエリートです(でした)。履歴書を見ると、世界に冠たる学校の名前や資格が並んでいます。それは事実なんですが、元多重債務者とは書いていません(笑)。書いてもいいか(爆)。履歴書に書く代わりにこちらで。
一流大学卒業後、とあるサービス会社に就職。一流とわざわざ書くのは「転落のギャップ」を味わって欲しいためです(イヤミではなく)。企画・経理等で活躍し認められます。経理畑の経験から、ウォールストリートの投資銀行マンに憧れていたおバカの私は世界を股にかける一流バンカーになってやろう! と虚栄心から思い立ちます。普通に愚か過ぎて涙が出ます。金と名誉、ポルシェとマンハッタンの豪華マンションとハリウッド美女、何もかも手に入れてやる!!
カネと見栄のためには努力を惜しまない私は必至で勉強し、米国一流校でMBA(経営学修士)を取得します。一流、ですよ! それもトップクラスの成績で。さて、ビザの問題等もありさすがにウォールストリートでの現地就職は難しそう・・・と気付きます。マンハッタンの豪華マンションはあきらめよう。大手町でもいいさ。そう思って帰国し、大手監査法人の金融コンサルティング部門で職を得ます。M&Aのアドバイザー、いわゆる虚業なのに高収入と世間から言われている職業です。そしられている?
お金に酔ってる人に読んでほしい記事

奈落の底
カネと見栄のためには努力を惜しまない私は必至で働き、業績を上げ上司にも認められます。ここまでが上り坂で、後は奈落に真っ逆さま。毎日終電、時に徹夜、休みも月に1度ぐらいという生活でそろそろ燃え尽き症候群も始まっていました。でもさらなる栄光を諦めない私は、投資銀行業務の本場は監査法人ではなく証券会社では? と案外当たり前なことを思いつきます。そこで、国内大手銀行系の証券子会社へ転職!
入ってみて気付いたこと。銀行の「プロパー」(銀行から天下りで来た人ら)が幅を利かせ優遇されており、外部から来た人間はいくら優秀でも役職が低かったりするシステムが厳然として存在している、という点です。気付かなかった・・・。表面上の役職は係長ぐらいの管理職だったのですが、ある日「ヒラ」の名刺が配られました。人事体系変更だそうで。名刺の肩書を気にする虚栄心の強い私は愕然とします。終わった、と。
その後、酒に溺れ、仕事をせず、朝から酒を飲んで酔っ払って職場に行き上司に叱られて余計酒を飲む、という日々が始まります。これが10年ぐらい続きました。表面上の履歴書はいいのでバカにされた証券会社は辞めメーカーやITに転職しますが、そこでも結局仕事をせず、毎晩キャバクラ通い。もちろんサラリーマンの給料で毎日キャバにはいけませんので、段々と銀行や消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用するようになります。そのうち、毎月利息 + 一定の元本を振り込まなくてはならないため、「借金を返すための借金(他のカードを手元のカード借金返済のために作る!)」を始めます。気付くと、10%後半~20%台の金利が付く借金が1,000万円近くに・・・。いや、超えていたか。ちなみに余談ですが、コーポレートカードという経費精算のために渡されるクレジットカードまで使って飲んでいました。キャッシングは出来ないのですが。会社にばれちゃう(♡)。カードの数は記憶では7枚ぐらい。いや、8枚か。

上記の利息 + 一定の元本をサラ金の専用ATMで毎月振り込まないと、「デフォルト = 債務不履行」状態とみなされ督促状が届くようになります。その後は給与差押え等の法的行為が(会社にもばれます!)。

ある日のこと。今月の給与から払えるだけ払い、数万円を手にグッと握りしめ、仕事へは行かず(上司にも言わず!)渋谷の街で呆然と佇むタジュウ。これを振り込めば今月は督促状は来ない。それか、朝キャバに行くか。行くか? あ、時間的に昼キャバか・・・。
救世主
行ってしまいました。昼キャバ。これで10年に及ぶ堕落の日々を経てついにカイジ状態。借金取りに追われる生活が始まる? まず考えたのは海外逃亡。故郷アメリカへ! と、留学時代からパスポート切れてるし、そもそも航空券を買うカネがナイ。カイジだ~。でも、カイジなら不屈の精神力と知恵で借金も跳ね返しますが、私にはそんな力はありません。神様か仏様は助けてくれないか?
ここでふと、金融に詳しいので企業には法的な「破産」か「再生」という脱出口があると気付きます。個人にもあるな・・・と。それで行こう! と思い毎日酔っ払って泣きながら弁護士を探し始めました。ちなみにこの時点で会社を辞め = 酔って出勤するアル中なので事実上クビ、無職にもなっています。今も無職に近い。さて督促状が発送されるであろうタイミングの寸前に、とある自己破産・個人再生専門の小さな弁護士事務所があり、親身そうなのでそこに早速お願いしました。神様、いた!
金融機関各位に私が法的債務整理状態に入ったことを通知してくれて、督促状は届かず。その後、紆余曲折を経て最後何とか自己破産に至ります(タジュウから元・タジュウに)。
法的債務整理とは?
法的債務整理と聞くと難解な感じがしますが、「借金を法律の力でカット、あわよくばゼロにしてくれる」というありがたい仕組みです。失敗をした人も借金に追われるだけの人生は可哀そうだから、という善意のシステム。だからと言って、役所に電話して「債務整理頼む!」「あいよ、あんた今日からゼロ!」とはなりません。
いくつか方法はあるのですが、私の場合「自己破産」か「個人再生(民事再生)」のどちらにするかで大いに迷いました。結論を言うと、個人再生から入りうまくいかず、途中から自己破産に切り替え何とか借金帳消しになりました。本当にゼロです。一部保険があったのでそれは解約して250万円ほどで、1,000万円と相殺して750万円免除してもらったという感じです。先に解約して飲むの忘れてました・・・。ちなみに法的整理の前後でこういうことをすると、わざとか?とお叱りを受けます。この点も次回以降の稿で。
この他にも、任意整理や特定調停というものもあります。主役は自己破産と個人再生ですが、まずこの四類型をご解説致します。
A: 自己破産
ゴール
借金が「完全にゼロ」 / 手持ちの財産も(あれば)ゼロ
スピード:
認可されればバサッと消すだけなので早い(半年等。場合によりそれ以下)。
要件
→裁判所(事実上、裁判所側の管財人)及び債権者の承認
※注1: バクチや飲酒で散財しただけのふざけた人間は基本許さない、という「免責不許可要件」というものがあります。
※注2: 弁護士や公認会計士等社会的役割の大きい職業、警備員等他人の財産に触れる機会がある職業は申請が制限される(資格が一時停止になる等)場合があります。
※注3: 借金に保証人等がいる場合、少しややこしくなります(債権者がそちらに目を向けるため)。
対象 = 向いてる人
- とにかく借金の額が大きい人 / 個人再生と比し(こちらはある程度残るため)
- 家等、取られて困る財産が無い人
- 早く解放されたい人
- 個人再生がそもそも無理な人
成功率
一旦申請すれば非常に高い(90%台後半)

B: 個人再生(民事再生)
ゴール
借金を大幅に圧縮(元本の額に依る。私の場合1/5 = 200万円) / 金利はカット / 元本を3~5年ぐらいで月払分割返済
スピード
返済計画提出が必要なため自己破産より時間が掛かる(1年等) / 実際の返済期間3~5年を考えるとさらに遅い
要件
→裁判所(事実上、裁判所側の管財人)及び債権者の返済計画承認
→返済完了
※注1: 建前上、自己破産のような「免責不許可要件」がありません(少しは返すので、仮に飲んだくれでも殊勝ということか)。
※注2: 自己破産のような職業制限はありません。
※注3: 借金に保証人等がいる場合、少しややこしくなります(債権者がそちらに目を向けるため)。
対象 = 向いてる人
- 圧縮後の返済ぐらいなら耐えられる人
- 家等、取られて困る財産がある人
- 待てる人
成功率
高いが、返済計画承認が必要な分自己破産より低い(90%台前半)

C: 任意整理
ゴール
債権者と「直接交渉」して元本・金利の額を調整、書面を交わして後は返済
スピード
相手が応じれば非常に早い、逆に応じなければ永遠に終わらない
要件
→相手 = 債権者がOKする
→返済完了
対象 = 向いてる人
- 借金の額がさほどでもない人
- 少しでも減ればいい人(特に、金利カットだけでも助かる!という人)
- せっかちな人
成功率
低め(応じない場合がかなりある)

D: 特定調停
ゴール
債権者と「事実上」直接交渉して(裁判所が第三者として見守ってくれます)元本・金利の額を調整、書面を交わして後は返済
スピード
相手が応じればかなり早い、逆に応じなければ永遠に終わらないし、裁判所が絡む分任意整理よりは遅い
要件
→相手 = 債権者がOKする
→返済完了
対象 = 向いてる人
- 借金の額がさほどでもない人
- 少しでも減ればいい人(特に、金利カットだけでも助かる!という人)
- ややせっかちな人
成功率
低(応じない場合がかなりある)だが、裁判所が見てる分任意整理よりは高いかも
さて、バッサリ借金を切る自己破産・個人再生と任務整理・特定調停を比べてみます。後者は債権者と債務者の「示談(直接交渉)」のようなものです。任意整理の場合、裁判所は絡まず直接交渉になります(この点、法的かどうか怪しい気もします)。例えば、カード会社に半分は金利無しなら返すから半分負けてくれと言って、相手がOKなら書面を直接交わしてそうする、という感じです。その書面が法的というなら法的。但し、簡単には応じません。聞いた話ですと金利カットぐらいは応じる金融機関が多いそうです。私の場合、金利カットされても1,000万円はなおつらい。特定調停は、これに裁判所が第三者(司会?)として寄り添うぐらいなもので、基本同じことです。こちらも法的強制力は低いと思われます。但し、債権者自身が交渉してもウンともスンとも言わない場合でも、弁護士が間に入っていると元本もある程度応じる(全く回収出来ないよりマシ!)ということはあるようです。一方、自己破産や個人再生は厳然たる法律があり「国家に強制される」ので否応なしに裁判所の判断通りになります。このため、私の記事ではこちらを主役として解説致します。
私が何故自己破産と個人再生で迷ったかです。巨額な親の入院費負担等明らかに許されるものでなく、キャバクラ通いでこさえた雪ダルマ式の借金なので、自己破産だと「免責不許可要件」に引っかかる可能性があったためです。但し、注にある通り「基本」不許可なので、裁判所に謝り倒せば通る場合が多い。そのため成功率も実は高い。それでもダメって言われたら・・・と思い一旦は手の掛かる個人再生にしましたが、結局うまく行かず切り替え。この波乱万丈のストーリーは次回以降に!
専門家(弁護士・司法書士等)の起用について
自己破産・個人再生は専門家を雇わなくても個人でも可能は可能です。但し、私の経験ですと専門家が間に入らないとタジュウとしては不安になります。弁護士事務所から各金融機関に通知してもらったらクレジットカードの請求書すらピタリと止まったという経験が! 督促状も一切来ません。自分で申請していたら或いは来ていたのではないかと思っています。
また、非常に複雑で量の多い提出書類の作成・提出(司法書士はここまでOK)や、裁判所に一度はビクビク出廷する際の付添い・代弁(弁護士ならこれも可能)等、非常に便利です。
お値段は・・・思ったほど高くなく自己破産・個人再生とも弁護士で30-50万円ぐらいが相場では? (各弁護士先生により差異がありますので弁護士検索から個別ページを参照ください。)手が掛かる分後者の方が少し高いと思います。私の場合全てパックでたったの30万円ぐらいでした!
このため、法的債務整理を行う場合是非何らかの専門家、出来れば弁護士や司法書士を起用することをお勧めします。
以上、元・タジュウの赤裸々な告白と法的債務整理のダイジェストでした。実際の体験に基づいているので生臭さ & リアルさが出ていると思います。以後は私の体験と法的手段の詳細をお届けしたく思いますが、もっと生臭くリアルになってこれ以上読めない! という方もいるかもしれません・・・。でも読んで下さい!!
元・タジュウの債務整理「あゝ〜」シリーズ3部作+番外編はこちら



