債務整理「あゝ破産。人生はつらいよおっかさん!うしろゆびさされ組」法的債務整理前後の社会的問題と経済的問題。元・タジュウの債務整理番外編

債務整理「あゝ破産。人生はつらいよおっかさん!うしろゆびさされ組」法的債務整理前後の社会的問題と経済的問題。元・タジュウの債務整理番外編
債務整理「あゝ破産。人生はつらいよおっかさん!うしろゆびさされ組」法的債務整理前後の社会的問題と経済的問題。元・タジュウの債務整理番外編
元・タジュウの債務整理シリーズ番外編。タジュウの法的債務整理前後の社会的問題と経済的問題を追ってみる。
編集部/元・タジュウ

タジュウのその後 人生はまだ続く後ろ指問題(プライバシー)と隅田川問題(糊口)

こんにちは! 元タジュウです。私の失敗談に基づく色々な記事をご提供し、法的債務整理について面白く、でもなるべく分かり易くご解説しております。

この記事は本編三部作 = トリロジーの「エピソード」的なものです。自己破産後の私がどうなったか、赤裸々に語りつつ法的債務整理にまつわるトピックを詳しく解説します。スターウォーズにもエピソードがあります。それと同じです! いや、スターウォーズのエピソードは「その前」が多いか・・・(そういう問題ではなく、比べるな!)。いずれにせよこの記事については是非三部作を一読の上お読み下さいませ!

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「タジュウ = リアル多重債務者」だった頃は、「法的債務整理が完了した後の世界」については一切考えておりませんでした。自己破産は人生をある意味「リセット」するものです。刹那主義の私はとにかく自己破産の手続きを終わらせることに集中し、その後のことは考えないようにしていました。

で、ギリ成功し元・タジュウになりました。さてこれで人生が終わりか? というとまだ続きます。そして、多重債務者化ほどではないものの、さらに失敗を重ねています。

本サイトの記事をお読みになっている方は、法的債務整理(特に自己破産)終了後に果たして「まともな人生」を送れるのかどうか? と気になさっている方が多いはずです。

結論を先に言うと、送れます。問題ありません。なので、膨大な借金を抱えており法的債務整理に踏み切るかどうか迷っている方は、是非私の記事を全部読んだ上で弁護士 or 司法書士事務所に駆け込んで下さい! 駆け込み寺ですよ。

まず自己破産後にどういった「問題」が起こりえるか? 不安にさせるか。大きく、法的債務整理前後の「社会的問題」と「経済的問題」に分けて考えてみたいと思います(根本的には不可分なのですが)。

二つの不安

社会的問題

暴力等の刑事犯罪を犯すと「前科者」というレッテルが貼られます。元ヤクザだった人は社会復帰してまともな仕事に就きたければこれを隠さなくてはならない。義足ならぬ義小指を作って装着してから面接に行く人もいるとか。でも何だかばれて社会復帰が難しい。いつまでも犯罪者だと後ろ指を指される。

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自己破産もある種犯罪のようなイメージもあります。事実上(法的な解釈は別に)、人からお金を借りて踏み倒す面もありますので、犯罪色が無くはナイ、とも言えます。事実上、ですよ。仕方ないからそうしたのでいわゆる犯罪ではありません。

法的債務整理完了の「前・後」というタイムラインでこの「後ろ指問題」を考えていきます。

前から。まず多重債務者は、会社にばれないか? 家族や友人にばれないか? と隠そうとします。私もそうしていました。恥ずかしいしクビになったりすると困るので(結局クビになりましたが)。多重債務者という時点で社会の不適格者の烙印を押されそう。その割に、会社のコーポレート・カード = 経費精算用のクレジットカードも使ってキャバ通いを続けていました。何とリスキーな! 会社のシステムに登録されている明細を調べれば分かるので・・・。法的債務整理に踏み切るまではばれませんでしたが!!

借金が膨れ上がった時点で金融機関やその「連合」のグレーリストに載るでしょう(前)。本名・住所も知れています。法的債務整理に踏み切り、債権者に通知した時点でブラックリストに(後)。私も載っていたでしょうし、まだ載っているかもしれません。こういった情報は洩れないか(洩らされないか)? 他人が勝手に調べられるのか?

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戸籍等、国家の情報は? 禁治産者(こいつに金を持たせてはいけない)とか自己破産者とか登録されるのか。いつか消してくれるのか。ばれるのか? 他人が勝手にそういった情報を取得出来るのか?

このような個人情報にまつわる問題を「後ろ指問題」と命名しました。あいつ、多重債務者らしいぜ・・・。或いは、元多重債務者だって・・・。という陰口につながるような、ネットで流布されかねないようなリスクです。

この点、以下詳述しますが、自分が気を付ければまずばれることはありません。

私の場合。この記事を書いている時点でそうですが、「後」に自分から暴露してしまいました。恥ずかしくてなるべく隠していたのですが・・・(一部、人によっては言うとバカにされたこともあったからです)。まずこちらの編集部に全てばらしています。親しい友人達にも思い切ってカミングアウトしました。でも、別に分かってくれる方々はバカになどしません。

ということで、知られたくなかったら気を付ければばれない。ばれてもいいと思ったらばらしてもさほどバカにはされない。以下、制度面も含めて詳しくご説明します。

経済的不安

法的債務整理に踏み切る人はその時点で経済的に破綻しています(前)。私もしていました。

それをリセットしたい。ゼロスタートである。さて自己破産の場合財産も全て放り出して(債権者に出来る限り分配して)文字通り財産ゼロの状態から再スタートします(後)。本当に文無しになって生きていけるのか? 借金が無くなって借金取りに追われなくなったのはいいが、隅田川のほとりで乞食生活を送ることにならないか? 川というよりドブではないか?

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私の場合。アル中で事実上クビになり、その前後で無職状態でした。いわゆるサラリーマンから転落して警備員をやってまたすぐ事実上クビになったりして・・・。自己破産後のことは考えないようにしていたのですが、生身の人間ですので法的債務整理が完了した後も何か食い扶持が要ります。

キャリアで失敗し、「組織が合わない」と分かっていたのにまた失敗します。年齢的にまともな再就職はムリなため、学習塾でバイトを始めました。英語と数学を中高生に教えます。アカデミックな経歴(だけ)は抜群なのですぐ採用され、誰も追いつかないような言語・数理能力(前者については外国語 X2 です。母国語の日本語はともかく?)を有するので内容的にも問題ありません。でも若い正社員の上司や「先輩」の若い学生さん達、モンスターペアレンツ、自分がさぼって成績が悪いのを塾の先生のせいにする(客づらする)悪魔の子ら・・・こういった方々に悩まされ、喧嘩してやめました。

大して出来もしないくせに人に教えるな、と本当のことを上司に言ったら事実上クビに。ちなみに喧嘩する時メールを極上のアメリカ英語(米国トップ校のMBAばり、悔しいので何かしらマウントを取ってやろうと!)で書いてやりました。英語を教えてるなら英語で返信しろ!ゥキー!とも。そうしたら私は英語がさほど出来ないので日本語で書いてくれます? とか冷静に返信されてしまいました。なら何故英語を教えている?と恥ずかしながら子供の様な喧嘩、大人げない対応をしてしまいました。面倒くさいやつですねハイ...

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いずれにしてもまた失敗。分かってたのに・・・。でもまたキャバに溺れることはありませんでした。借金したくてももう誰も貸してくれないからです! でも貸してくれるなら借りてたのか?

その後、貧乏で不安定でも、ということでフリーランスに。ライターと翻訳家(こちらはサブ)で細々食っています。第三者の収入証明書など無く(あっても信ぴょう性が無い)、税金が毎年ゼロという極貧状態ですので、もうサラ金のカードを作りたくても作れません!なのでちょっとネガティブな意味で安心。エピソードでさらにカミングアウト!

と、人間は何をしても生きてはいけます。

具体的に、自己破産には職業制限があるので一旦休憩した場合は元に戻れるのか? 私のように無職だったら再就職出来るのか(自己破産者ということで蹴られないか)? 法的債務終了後、また改めてカードは作れるのか? 色々な仕事・お金に関する不安があるはずです。

先に言うと、大丈夫です。私の場合あまり大丈夫ではありませんでしたが、隅田川はギリ回避しています。但し、借金については「どうせ借りられない人(私とか)」、と「借りられるけどもう借りない人(皆様)」、根っからのギャンブラーとか「借りられるから借りちゃう人(懲りない面々)」とかの区別はあります。

これらについては「隅田川問題」と命名させて頂きました。以下具体的にご説明します。

後ろ指問題

社会的問題の方から。以下も「前後」のタイムラインでご説明します。

現代の情報社会では、氾濫するFacebook等のSNSやYouTube等の動画を見ても分かるように、個人情報が暴露され言い合って炎上するという現象が世界中のあちこちで見受けられす。人は他人の不幸で幸福になる!

多重債務者で自己破産申請している、法的債務整理は何とか終えたが自己破産者である。こういった事実がばれて、或いは嗅ぎつけられて犯罪者のように一生後ろ指を指されることは無いか? チャネル別にその可能性と対応策を考えてみます。

近年では破産者マップ事件などもありました。現在も新・破産者マップとして怪しげなサイトも公開されているようなのでご注意下さい。

パーソナル・口コミ

会社にばれるとクビになったり左遷になるかも・・・と恐れている人は多いでしょう。人事部としても多重債務者に会社の財産や部下の管理を任せたくない、と思うかもしれません。債権者の最終手段である「給与口座差押え」も脳裏にちらつきます。これは会社にまず伝える可能性が大なのでバレます。

奥さんや彼女に知られて嫌われないか? 離婚とか別れにつながらないか? こちらは経済的問題から起因する場合もある(特に前者)でしょうが、情報管理という意味でこの段落で。

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この問題については「言わなければいい」となります。言わなければ誰にも知られない。会社も裁判所命令が届かない限り分かりません。実際、私も踏み切るまで(前)は誰にもばれませんでした。多重債務をネタにしたいYouTuberはまた別ですし、何だか言いたくなっちゃう人も別です。

後にばらすのはいいかもしれません。会社と奥さん以外。彼女が理解がある人なら・・・(それ、案外面白いね!)。

各金融機関

カードを発行した商業銀行やサラ金です。サラ金も昭和の頃ほどは怖くありませんが、道楽で商売をやっているわけでもありません。貸すときは与信調査もしっかりやります。住所や本名もしっかり記録します。まず社内で、この債務者には今こういった金利・返済条件でこれぐらい貸し付けている、とリアルタイムにフォローしています。

カネを借りる契約をする際、「どういった場合にどこにばらすか」を契約書に明記しています。

まず貸金業界の「連合」。こちらは後述します。

他には・・・何か犯罪の調査等で当局から要請があったら個人情報を開示する場合があります、ぐらいは書いてあるはずです。借りたカネで新宿都庁を爆破するプラスチック爆弾の材量を買い集めているらしい、と警察が嗅ぎつけてお金の流れを追いたい場合、等です(例えが悪い)。私達のような善良な市民については、こちらの可能性はまずゼロでしょう。

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さて、米国の税務当局(IRS)が発注している先の業者の職員がトランプ氏や富裕層の税務情報を漏らした、というニュースがあります。そういった役に立つ情報をこっそり売ったのか、面白半分でやったのか。金融機関の職員がサイドビジネスや趣味(YouTuberだったり)で顧客の情報を漏らしたりしないか? 契約書には、金銭の貸借に関係する目的以外で個人情報を第三者に漏らすことは致しません、と書いてあるはずです。いずれにせよ、そんなことをするとその後の事業が風評で立ち行かなくなるので・・・。でも、個人の気まぐれでバレる可能性もゼロではありません。が、ほぼゼロでしょう。

もちろん、返済を滞納した場合には裁判所に言いつけるためにそちらに情報を流します。結果、放って置くと給与口座差押えの目的で裁判所から会社に連絡が行くかもしれません。他の財産を差し押さえる場合、その管理者にも連絡が行くかもしれません(マンションの一室を持っているならその管理会社等)。でも先に手を打ってそうさせないのが法的債務整理!

住宅ローンや事業への貸付金等、大型ローンを考えます。保証人を付けている場合、返済が滞るとそちらに連絡が行く可能性は大です。この場合、当人に言ってもダメそうなら寝耳に水でそちらに先に連絡が行く場合も(どちらに先に請求してもヨイ、と契約上なっている場合)。第二次世界大戦の際、太平洋の島で死線を生き抜いた戦友二人。こいつのためなら、と保証人になってやったのに俺に押し付けてきやがった・・・。ここで長年の友情も破綻。保証人問題についてはかなりややこしいので、また稿を改めてご説明したいと思います!

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さてその金融機関が闇金だったりグレーだったりする場合。YouTubeリスクはあるか? 男気ファイナンスから日本の皆様にお知らせです。この女、田中タジュは100万円借りておいてホストに突っ込み、一銭も返さずに夜逃げしました。もしこの顔に見覚えがある方は男気ファイナンスまでご一報を(メール・電話番号は概要欄に記載しております)。この多重債務者拿捕につながる情報を提供してくれた方には金一封(5,000円)! 闇金の場合、家族への連絡先等も貸付の際求められる場合があり返済を怠るとそっちに電話して怒鳴りつけたりします。アンダーグラウンドなのでYouTubeリスクは低いかもしれません(表に出ない)。闇金問題については機会があれば別の稿でまたじっくり。

連合

一種の業界団体なのか何なのか。リテールのカードローンを手掛ける商業銀行やサラ金はこうした「連合」に各顧客の借金情報(現在の元本・利率、返済状況等)を「ポスト & プール」してお互いにいつでもオンライン照会出来るようにしています。

新規貸付の際、或いは貸付枠拡大の際の信用調査に使う目的です。コイツは今総額でどれぐらい借金を抱えているんだ? 多重債務者には貸さないぞ・・・・。私も数社からつまんで1,000万円を超えた時点で、既存借金の返済のためにさらなるカード作成を三井住友系の金融機関に申し込み、即お断りを喰らいました(飽くまで礼儀正しく)。これは、この連合の情報を審査担当が照会してNGと判断したためです。申し込んだらその日にすぐ「残念ですが・・・」と来ました! IT時代ですので情報共有・利用のスピードが凄まじい。

こういった「モロ個人情報」を連合にポスト & プールして他の金融機関に照会させたりして良いのか? これも契約に謳ってあります。それを呑めないなら貸さない。売り手市場なのか貸し手市場なのか・・・。雑談になりますが、貸金業界は全般に殿様商売っぽいところもあります。カネが無くて困っている人はウヨウヨおり、お客様ながら一旦貸したら債権者になり立場が強くなるので・・・。

もう一つ雑談を。連合に所属している金融機関はお互いに「競合」のはずです。なのに貴重な事業上のソフト資産である顧客情報を敢えて商売敵に教えるべきなのか? これは、背に腹は代えられんということでしょう。業界内の競争よりまず業界全体が債務不履行の嵐で潰れることなど無いようにしておく。これが連合の気高い理念!

その連合が同理念の実現という「目的」以外で個人情報を漏らすことはあるでしょうか。YouTubeでなくとも。これは個別の各金融機関と同じで、そういったことをするという風評が立つと業界全体が倒れるのでまずありません。但し職員がサイドビジネスか趣味でリストを横流しする人が出てくる可能性はゼロではありません。でもまずありませんね。厳格に情報管理しているはずなので。当局の要請で情報を出したり、裁判所に言われてチクる可能性はあります。

さてアンダーグラウンドにもこういった表社会の連合と似たようなものはあるのでしょうか? あるでしょう・・・。情報の融通という意味ではもっと質の悪いものが。

前後、という観点で。借りた時点で次々ポスト & プール & シェアされて行きます。また、定期的に元本・返済状況もアップデートされるでしょう。そして、どこかで一回でも返済を怠るとその時点で即このホワイトリスト(か、グレーリスト)がブラックリストに変わります。以後、新規貸付や貸付枠の拡大は日本のいかなる公的金融機関でも望めません。すぐシェアされるからです(アンダーグラウンド的表現なら「噂が広まる」)。また、債務不履行していなくとも法的債務整理に踏み切って弁護士事務所から金融機関に通知が行った時点でブラックリストに変わります。

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さて、各金融機関で保持している情報と連合の情報はいつ「消える」のでしょうか。一旦自己破産した後また借りられるか? という点で隅田川問題にも関わっています。一旦全額返済しても、過去にこういう借金履歴があるということですぐには消えません。が、各社・各連合の取り決めで何年経ったら消す、とは自主的に決めているようです。ブラックリスト化した場合もかなりの期間を経て消えるようですが・・・。こちらは隅田川の方でもう少し。

国家

皆様も時々書類を発行してもらいに野暮用で市役所に行ってやたらと待たされることがあると思いますが、戸籍だの謄本だの、こういったデータベースと印刷される紙(コピーすると分かる)の方はどうでしょうか。このような情報は元々他人が簡単に取得出来るものではありません。マイナンバーカードを本人が提示したり、代理人であるという委任状が必要だったりします。他人が取れるのは、訴訟に際して裁判所に提出が必要な場合、検事・弁護士権限で相手の情報を最低限ゲットする、といった時ぐらいでしょう。これですら要件クリアがかなり難しいと思われます。

法的債務整理の場合を考えて、「前」でこちらの情報が変わることは基本ありません。「後」で自己破産の場合等はひっそり記録されることもあるでしょう。これもしばらくすると消えるようなことを聞きました。私の場合まだあるかもしれません。

ということで、国家に登録されている情報が一番正確な個人情報ですので洩れたらコワいですが、簡単には取得出来ないのでまず洩れません。

職員がこっそりPCを叩いて調べて(特に恨みのある友人等)YouTubeにコイツ、多重債務者だったんだゾ! と流布したら諦めましょう。逆に上司に言いつけてクビにしてやります。ちなみにそんなYouTubeに興味がある人は少ないはずです(このサイトの読者以外)。

法曹界

国家とオーバーラップしていますが・・・。

裁判所・管財人

他の記事の繰り返しになりますが大切な点を一点。役所なのか裁判所なのか両方なのか、自己破産なりを「成就」すると相応の期間その事実を保持しています。永遠かもしれません。7年ぐらいは二度目の自己破産申請は受け付けない! というような規定もがあるからです。逆に、自己破産しても数年は再トライ不可ですし、二度目は再犯ということで覚えられているので非常に通りにくくなる点(もう借金しません!という約束を破った)、ご留意下さい。「中東に二度目は無い」というコワい言葉があります。自己破産にも二度目はまず無い。

前後で言うと、普通に申請したら裁判所は知ってるし、法的債務整理に際して債権者側の守護神である管財人にも知られます(前)。終わっても上記の通りかなり長い期間ひっそり記録が残っています(後)。ただ、裁判官や裁判所の職員、管財人のYouTubeリスクは職務上ほぼゼロと言っていいでしょう。元裁判官や管財人でネットに書いたりする人は多少知ってます。但し実名は出していませんでした!

ちなみに任意整理については裁判所をかまさない相対の交渉ですので、債権者・債務者の当事者レベルで片が付けば公の機関に記録が残ることはありません。任意整理について詳しく書いた記事も御座いますので、ご興味がある方はそちらも是非!

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弁護士・司法書士事務所

私はダブルスパイ等に関するCIAものの映画が好きです!

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で? 味方であるはずの弁護士・司法書士事務所が洩らすことはあるか? 疑い過ぎでしょうか。まず、前・後とも全て知ることになります(一番知られるのはこちら)。記録も事務所が続く限り証拠として残すでしょう。

実際、私を担当した事務所は自己破産認可の裁判所命令をまだ保持してくれています。私自身はコピーをもらいましたがしばらくして鼻をかんで捨てました。万一事後的に誰かに何か言われても(前に借りていた金融機関がやっぱり返して、とか)弁護士事務所に言えばこの「印籠」を持ち出してくれます! そういった意味では保持してくれる方がありがたい。

さて、洩らすかとなると顧客との守秘義務が職業倫理規定上あるのでまずありません。顧客の重要な秘密を故意に洩らした、などと知れ渡ると事務所は潰れるでしょうし資格も取り上げられる可能性があります。ということで、YouTubeリスクはゼロではないがほぼゼロ。

心配なら、事務所と契約を交わす際に守秘義務の条項を念のため入れてもらうことも可能です。元々入っている場合もあるでしょう。再々ですが、無くても洩らしはしません。口頭でもいいですね。彼女に知られると嫌われるので、二人の秘密にしといてくれますか? 美しいプロとクライアントの信頼感!

なお、匿名ならネットで洩らす弁護士もいます。管財人もそうですが、実名を出さなくても状況でこの人と推察出来る、という危険はありますね。私の場合、私を知っている人が私の記事を読んだら分かります。自分で暴露してんだからそれは仕方ないとする。

ちなみに私は独身で彼女もいませんし、年で今後も出来ないので彼女問題はパスしています(これも事後談のうち?)。あれだけキャバに通って彼女いない歴が長い私。というか彼女いたことあったっけ?

他に洩れる可能性のあるチャネルを考えてみましたが、取り急ぎこれぐらいでしょうか。結論を言うと、自分で言わなければまず洩れない。洩らしてもいいならタイミングを見計らって(前か後)、相手を見て洩らす。

隅田川問題

こちらの「前」については多重債務で日々の糧(コンビニで買うビールと乾きもの)にも困っているという前提ですので、割愛します。後をメインに。

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ザ・プロフェッショナル

個人再生にはありませんが、自己破産では特定の職業に就いていると申請出来ないという制限があります。主に他人の資産を管理する仕事で会計士や不動産鑑定士等だそうです。かなりあるので列挙はしませんが、何故か私と因縁のある警備員も含まれています(「物理的」な資産管理。お金でなく)。詳しくは自己破産のまとめの記事を参照下さい。

こちらについては「資格取消」になるということではなく、自己破産プロセスの最中はその仕事に就けない、というだけです。このため自己破産のために一旦離れても完了してから戻ることは可能です。

ただ、自分で事務所を開いている方はともかく、他人がオーナーの事務所に就職したりしている場合は再就職しなくてはならず、元の事務所は嫌がると思うので(辞める理由を聞くか察するでしょう)いわゆる就職活動が必要になります。プロフェッショナルで活動しており、何らかの理由で自己破産が必要で一旦離れる場合に留意しなくてはならない点です。

私のように学位と資格といっても能力の証明だけの資格(資格にも弁護士のように国家が「営業許可」する資格と、「能力証明オンリー」の資格があります)しか持っていない人は気楽ですが。会計士等の資格をお持ちの方はまず自己破産しなくてはならない状況には陥りませんし、仮にそうなっても仕事はあります! 少なくとも塾の人間関係で苦しむ必要はナイ。

勤め人

「後」フェーズになるまでサラリーマンや役所の仕事を維持出来た方は言わなければ上司や人事部も怪しまないので、左遷やクビになることはありません。シレッと続けて下さい。

プー

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クビになって仕事が無いから、無職だから借金が返しきれず法的債務整理に頼らざるを得ない、という方も多いでしょう。私もある意味そうでした。

まず法的債務整理で借金を消す。さて冒頭に書きましたが、それが人生のゴールではなく、お金が必要な人生はまだ続きます。なら改めて就職活動せねばならない。

私のように貧乏でもいいさ、というバガボンドな方はフリーランスやギグ・ワーカーを! 案外つらいですよ。あと、資格云々よりずばぬけた能力が要ります(ライターとしては分かりませんが、翻訳者としてはトップレベルなのでこの点よく知っております)。副業でなくフリーランス一本で行こうと思うと弱肉強食、本当の実力社会です。営業も自分でする必要があり、明日の糧の保証もありません。背広を着て通勤電車に毎朝定刻に乗る必要も無く、自由ではありますが・・・。安定と自由、どちらを選ぶか。現在は編集部キャップを担当しておりますが、組織が合わない私は後者を取りました。

さて大抵の人はフリーランス一本は危ないと思われます。特に養う家族がいる方ですね。私がバガボンドを出来るのも独身だから、ということはあります。家族の大黒柱で無職の場合。法的債務整理は終わってパチンコの借金は消えたが・・・いかんせん無職。自己破産のレコードが就職の際響くか? これも面接で自ら言いさえしなければ会社側は分かりません。このため、法的債務整理という要件のみを切り出して考えると就職に不利になることはないでしょう。

但し何故無職になったか、という理由は残ります。例えば仕事をする腕が無く、ヒマで競馬やパチンコばっかりやっていた場合。まともな就職は事実上出来ません。ここは苦しいところですが、コンビニやスーパーのレジでも何でもあるのでビジネスマンでなくとも生きていくだけなら何でも! 塾だけは止めましょう。

借金

法的債務整理が終わった後、改めてカードを作れるか? という問題はあります。

これも貸す側がどう判断するかによります。借金はゼロになりました。また借金したくなった。この情報も連合に届くのか、自己申告するのか。与信審査において、この借金元本の残額という点はクリアですが、各金融機関・連合に「法的債務整理の手段で借金を踏み倒した(債権者側から見るとそうです)」という事実は相当期間残ります。なので、収入面でOKだったとしても中々カードを新しく作ることは難しいでしょう。

ただ、連合の情報は何年も経つとそのうち消えるか過去のこととみなされるようですので、時間が経つと通るかもしれません。個々の金融機関では多分がっちりキープしますので、同じ金融機関では難しいかも。このため、時間が経って別の金融機関なら借りられる可能性アリ!

但し、これも必要な場合のみにして(彼女に結婚を申し込むためにダイヤのウェディングリングを買いたい、等)、飲酒やパチンコのために借りるのは一切やめましょう。

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出来る可能性はあるが、基本しない。「中東に二度目は無い」ので。

私のように収入面でそもそも審査に通らない、という人は考える必要はありません。単に出来ないので。

さてここでコワい質問。仮に私が借金「出来るとしたら」再度してキャバに行くか? しません。二度目が無いのがコワいので。

まとめ

法的債務に踏み切るのはいいが、終わった後に後ろ指問題や隅田川問題が発生してまともな生活が送れなくなるということは無いか? と皆様の少し気にしている点について細かくご解説申し上げました。

後ろ指問題については、自分が言わなければまず無いので気にする必要はありません。

隅田川問題も、法的債務整理成就の事実自体が影響することはまずありません。こちらも言わなければ、ですが・・・。

ということで自分次第。法的債務整理が必要なら、その後困らないかという点はまず忘れて駆け込み寺である弁護士・司法事務所へ!

ちなみに塾とフリーランスは大変なのでおすすめはできません!

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この記事を書いたのは
編集部キャップ/元・タジュウ
編集部キャップ/元・タジュウ
日本国内某一流大学を卒業後、米国一流校でMBAをトップクラスの成績で取得。Chartered Financial Analyst, CFA/日本証券アナリスト協会認定アナリスト, CMA取得済み。金融に関しての知識は世界トップクラス。ネイティブ並みの英語とタイ語能力を有す。大手町大手監査法人でM&Aアドバイザー職を経て右往曲折(紆余だけでなく。詳細は記事をご覧あれ)。現在は債務整理中央事務局で編集キャップとして活動中。コップンカップ!
私が監修しました
宮地祐樹
ひかり総合法律事務所
宮地祐樹 弁護士
所属:日本弁護士連合会/第二東京弁護士会/日本スポーツ法学会会員。調査案件:ベルマーレコンプライアンス委員会委員。経歴:早稲田実業学校高等部/早稲田大学法学部/北海道大学法科大学院/あさひ法律事務所。元Jリーグ下部組織でのプレー経験がある法曹界では珍しい異色の経歴を持つ。好きな色は青。幼少期から体育会系の世界で揉まれ育ち、人情に厚いながらも冷静沈着な仕事のスタイルが好評を得ている。訴訟案件を多く抱えながらも交渉案件も得意とし、日々、金融機関との交渉に励んでいる。