債務整理をしたらブラックリストに載る?ローンやカードは作れなくなる?信用情報って?

債務整理をしたらブラックリストに載る?ローンやカードは作れなくなる?信用情報って?
債務整理をしたらブラックリストに載る?ローンやカードは作れなくなる?信用情報って?
債務整理を行うとブラックリストに載ってしまうのか?ブラックリストというものは存在するのか?「異動」という形でCICなどの信用情報機関へ登録されます。
編集部/元・タジュウ

ブラックリスト、一旦載るとオワリ...いや起死回生はあるのか?

か、黒いリスト(ブラックリスト)なのか・・・。お馴染みの元キャバ中・多重債務者の元・タジュウ、ご声援に応えてまた帰ってまいりました!

いや、さほど声援は受けていないのか。今回も「法的債務整理」の様々な側面について解説させて頂きます。今回は「ブラックリスト」について! これが何よりコワいという声が世上に多いため、取り上げてみました。

私も載ったことが御座います。まだ載っているかは・・・収入が低くてどうせどこも貸してくれないので確認すらしません。アル中から自己破産以来ある程度時間は立っていますが、まだ載ってるかもしれませんね!

ちなみに載るとどうなるのか?債務整理を行うと生活は制限されるのか?などページ下部にFAQとしてまとめておきますのでご覧ください。

簡単に言うと、こいつは金を返すといいながら約束を破って返さなかったのでもう貸さない、というリストです。

以下、まず一般にブラックリストとは何を指すのか考察します。その上で借金・法的債務整理絡みのブラックリストの類型について各論として解説致しますっ!

リストの性質に依らず(黒のリストは世の中に沢山あるので・・・)、どうしたら載るか / 載せられてしまうか、載っても外れる / 外してもらえることは可能か? ということが一つのポイントです。

いつも通り結論を先に申し上げますと、「もう借りなくていいなら載ったって構わない」となります。今後も借りたいならちょっと注意、ですね。

ゆるい村八分

面白い例で「ブラックリスト」とは何か示したいと思います。

タジュウ門前払い

私の情けない例でまず一つ。

キャバ中の頃、「つけ」で飲んでいたお店もあり、行っても飲ませてくれませんでした。気に入った子がいてその子も待っているのに(「営業」或いは「客」でも)。門前払い、ですね。でもまたカードで借金を重ねて払ったら、すんなり入れてくれました。

これは、「こいつは未精算のお代があるので払うまで入れない」というブラックリストの一種です。

黒い帳簿でなくても、マネージャーのメモ帳に客の名前と未払金がしっかり明記されていたということでしょう。手帳の色が黒でなくてもこれはブラックリスト。

但し、払ってくれればリストから外す。

分かり易い例ですね! た・だ・し。次からツケは無いし、もしお代をその場で(現金でもカードでも)払えなかったら「永久」に載ることになります!

お触り禁止!

今度はキャバで酔客を相手にする側。

私は金を払っている限りこういうことはありませんでしたが、たまにあまりイヤな客だと営業成績を犠牲にしてもキャバ嬢側からお断りすることもあります。横目でよく散見しておりました。

例えば、酔ってお尻を触る太った中年男性。おっぱいでも、両方でもいいんですが。お尻星人禁止! おっぱい星人はまだ許せる(ちょっとなら)。両方星人はもちろんダメ。そういうお店じゃないんで(風俗行け)!!

キャバ嬢の心の中でブラックリスト化しています。もう絶対触らない、と約束して本当に触らないなら一度は「外れる(外してくれる)」のか。一度でアウトなのか。

お触り禁止

ここまで分かったこと:

  • お店は組織。キャバ嬢は個人。リストは組織ぐるみのこともあるし、個人のこともある。が、普通は「リスト」なので組織単位の帳簿である(色は黒くなくてもいい)。
  • 組織や個人の「勝手」である。無視したり門前払いするのは勝手。こういうヤツは殺してやる、という制裁ルールをリストに加えると国の刑法というもっと大きな枠組みがあるので成り立ちません。一方、このように国家の決まりに抵触しなければ、そう決めるのは勝手。お尻触っちゃダメ~!

ちなみに私は触るか。たまに触ります(ブラックリスト化もナシ)。コツとしては、仲良くなって信頼・尊敬心を得てからなら、少しぐらいはOK! 人によりますが・・・。あと、おっぱいよりお尻の方が案外抵抗無い。お尻でなく腰を触る、とか言ったり・・・(実際にはお尻です)。

おっと法的債務整理の記事だった! あと、そういう夜の戦歴を誇っても仕方が無い!!

条件次第でブラックリストをギリ回避出来る、と私は言ってるのでしょうか・・・。

さて、もっと包括的な例を最後に一つ。以上は現実の話ですが、以下は架空の話です。

中二社会

同じクラスのサキ・カオリ・ユリ・ホノカという四人の女の子を考えます(名前が古い?ですが、花系の名前で統一)。

表面上は仲良くしていた。休み時間には一緒にバスケをしたり。

こういう女子(男子でも)の間では、同じ年同士なのに見た目や成績等で「なんとなく」序列がついたりします。

サキはフレンドリーな子なので、カオリ! ユリ! と気さくに呼びかける。

仲良し4人組

これが成績も見た目も明らかに良いカオリには気に食わない。カオリさん、とさん付け(ちゃん付けでもなく)と呼ぶべき。一方あたしの方は別にサキさ、と命令口調で良い。

こうして、カオリはまず一人で心の中でサキをブラックリストに載せた。毎日家でつけている中学生日記にも明記(物理的なブラックリストという意味ではこちら。無くてもいいのですが)。

曰く、さん付けで呼ばない限り無視。そうして、サキ本人にも通告。サキは変な顔をする。でも友人同士でさん付けは何だか変なので、別に従わない。相変わらず明るくカオリ! で。すると、一方的なブラックリスト・通告通りに無視され始めた・・・。何だかやな感じ。

ここで、一人ブラックリストがある程度効果を発揮しています。Aの一人の例。

だがサキ的にはユリやホノカ等他の友達もいるので、仕方ないからそちらと遊ぶ。ということで、一人のブラックリストだと効き目は薄い。

ここで、実はユリやホノカもカオリと同じことを思っていた(カオリは相談してみた)。確かに・・・、あの子生意気よね!

となり、三人でブラックリストを結成。さん付けで呼ばない限り一緒に遊んであげない! Aの組織の例です。

ここで、Bについて申し上げますと、教師が国家権力に当たります。いじめをみたら強権で介入してくる。モンスターペアレンツも加わるかも(子から言われて教師にチクる)。

でも無視しているだけで殴る蹴るの暴行を加えるわけではないので、明らかなイジメとは認定出来ず何となく気付いている先生も強権介入出来ない・・・。

こうやって村八分にされたサキはブラックリストから外してもらうために仕方なくさん付けで呼ぶことに。カオリさん、ユリさん、ホノカさん・・・。一方向こうは命令口調でサキ! 遊んでほしかったらお前がまずボールを倉庫から取ってきて用意しな!

外れたので一応遊んでもらえるは遊んでもらえるが・・・。

という感じです。とても良い、分かり易い例でした!

早く借金・法的債務整理の話を始めろ、ですか? 分かってます! では以上の例を踏まえた上で以下借金ワールドについても見てみます。

リアル村八分

このブラックリスト現象については借金自体の世界にも色々あります。そして法的債務整理の枠組みにも実はあったりします。これを分けて以下解説致します。

また、上記のAにあります通り、「単独」ブラックリストと「組織」ブラックリストについてもそれぞれ考えてみます。

借金自体の世界

まず消費者寄りから、ビジネス寄りを見ていきます!

クレジットカード

クレジットカードでのショッピングは借金なのか? これは微妙です。が、ある種そうです。

まず案外良く分かっていないクレジットカードによるショッピングの一般的な仕組みをおさらいしましょう。

ショッピングする際、現金があればその場で払ってお会計してしまえばいいのですが、手元にキャッシュがナイ、今月は(給料より)ちょっと多めにお買い物をしたい。そんな場合クレジットカードが登場します。

但し、です。ちょっと後で銀行引落しを通じて返すは返すんです。来月に一括なのか、額的にちょっと多かったら月賦っぽくするのか。

クレジットカードでのショッピングには「枠」が決められています。主に収入面でこいつにはこれぐらいの猶予を与えてもいい、とか(発行時の審査による)。30万円なり、70万円なり。溜まっている返済残高がその枠を超えるともうクレジットカードでお買い物は出来ません。「はける」まで使えなくなります。私もこの現象にキャバで何度も遭遇しました! クレジットカード会社の方も、一気に買い物されてばっくれられたら困るので、相手により「加減」しているわけです。もちろん、ばっくれもある程度経営上計算のうちですが・・・。

さて、クレジットカードの消費者にとってのメリットは? クレジットカード会社としては、すぐ払ってもらえず(単なる決済サービスとは違う)一ヵ月でも数か月でも手元に戻ってくるまでにラグがあるので、この意味では「貸して」ます。お買い物する側からだと「借りて」ます。でも基本的に金利は付かない(月賦など、条件によっては付くことも)。何故か?

デパートなどモノを売る方がその分を負担しているのです! そんなメリットある? クレジットカードだと現金が手元になくても買えるので、お買い物が進む(食欲みたいですが)。その分お店が負担してね、というのがクレジットカードビジネスの仕組みです。ざっくりですが。

これは便利だ! といって、クレジットカード会社も道楽で商売はやっておりまへん。

買い物してからしばらくして「この日に引き落としますよ~」と封筒で通知が来ます。私も何度もこれを受け取り、一覧にはキャバの店名がズラリ。

で、その指定日に口座に十分な金額が無かったら、クレジットカード会社の方は黄色信号をそいつに灯します。

が、わざとなのか(払わない或いは払えない)、単に口座に入れ忘れたかは分からない。ちゃんと払ってくれる限りはお客さんでもあり・・・。

で、改めて通知します。この日までにこちらの(うちの)口座に振り込んでくれ、とか一回だけ猶予するから次回の期日までにきっちり口座にその金額を積んどいてくれ、とか。このやり方は色々あると思います。

なお、このちょっとコワい通知についてはこちら記事でキッチリ書かれているので、詳しく知りたい方はこちら(以下のサラ金のローンにも当てはまります!):

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それでも通知を無視してるとブラックリスト。

基本もうショッピングはさせないし、「信用度(色々な意味で)」のスコアも大幅にダウン。つまり、今後の枠を減らしたり、場合によってはゼロにしたり。返さないなら客ではナイ。

ブラックリストから外してもらうにはまずそちらを返して、今後もカードを使ったら期日に口座を入れておくことです。このお許しの「加減」やタイミングについては各社それぞれでしょう。一度ブラックリストから外れても、一度こいつはばっくれたということでグレーリストぐらいなものにはメモされています。

それでも何度も繰り返したら「永久ブラックリスト」となります。

ブラックリスト

ではAの観点で

単体ブラックリスト:まずこれです。同じビジネスモデルでも各社がそれぞれビジネスをやっているので・・・。MasterCardでもVISAでもAmericanExpressでも。

つまり、まず社内でブラックリストに載せて、ブラック顧客を管理してゆく。こういった感じでしょう。

組織ブラックリスト: その上で、クレジットカード会社同士が「こいつはヤバい」と連合のブラックリストを共有している場合もあります。勝手なので。

現象面ではどういう感じか? あるクレジットカード会社のカードで残高不足で返さなかった。じゃ、他のクレジットカード会社のを使ってお買い物しよう! と思ったらそっちも何故か使えなくなってた・・・。ということがあり得ます。

私の経験では、あるカードで放置して(返済が間に合わず)も他のカードはまだ使えたりということもありました。使えなくなってることもありました。こんな感じで、そんなに綿密でリアルタイムな連携ではないかもしれません。

さてクレジットカード会社の観点ではこれにはメリットとデメリットがあります。

メリットは質の悪い顧客の情報を共有して、ばっくれをお互いに避けられること。これは普通に分かります。

デメリットもあります。こちらは難しいです。が、解説を。クレジット会社は各お客様の顧客情報(信用情報)がある種のアセット(ソフト、或いは情報資産)なので、競合と必ずしも共有したく無い、という点です。

もう少し具体的に詳しく。ある個人の信用スコアが70点と見る会社と80点と見る会社があり(競合同士)、実際は60点だったとします。70点の方が現実に近い(枠を絞れる)ので、有利ですね! それを、80点と見る方が他社の共有された情報を見て、そっちの見立ての方が精緻だと感づいたらそれに合わせられます。

情報共有

「シェア」にもこういった微妙な事情がありますが・・・。

さて、クレジットカードの場合は以下のサラ金より「単体度合い」がやや強いと思われます。一回の額が細かいから? かと・・・。

サラ金

コチラが法的債務整理という観点ではメインですが、クレジットカードより話は簡単です。単にいわゆる借金そのままだからです。

なおこれにはいわゆる消費者金融だけではなく、みずほ等商業銀行によるカードローンやクレジットカードの「キャッシング」も含めます。

ちなみにクレジットカードの「ショッピング枠」と「キャッシング」は借金は借金なんでしょうがちょっと違います。ショッピング枠は上でご説明した通りで、「実は」借金。でも基本金利が付かない(お店負担)。一方、買い物経由ではなく「現ナマ」がATMから出て来て、金利が付いて返済方法は口座引落しで同じ、というのがキャッシングです。なのでこちらに分類。キャッシングは同じカードで出来ても借金そのまま。

さて、金利が付くか付かないかだけの違いで「借りたら返せ」は同じです。定めた期限までに返さないとブラックリスト。

返し方は口座引落しもあるでしょうが(そうも設定出来る)、期日までに「自ら」ATMで所定の額を振り込む、というのが多いようです。一括でも分割でも。きっちり金利を付けて! ここが現象面でクレジットカードのショッピングと少し違いますね。

いずれにしても期日を外すと督促状です。

督促状

そして詰め寄り方は恐らくこちらの方がショッピングより厳しい。つまり、ブラックリストに黒々と名前を入れられるのがもっと早く、今後の対応、つまり貸さない或いは枠を大幅に削る、しっかり取り立てる等の対応が全般に厳しいのでは? と考えられます。

何故か。「キャッシュ・ショップ」のようなブランドもある通り、現ナマのやり取りそのものが商売だからです。いわゆるお買い物を介した商売ではない。これは私の印象ですが・・・。

また、額がショッピングよりは大きくなりがち、というのもあるでしょう。同様申し込みの際審査がありますが、この収入や信用度(過去の行い、返済状況等)だとこれぐらい・・・と枠つまり貸出条件と金利が定められます。これが、300万円だったりと数百万円になるのが普通です。フリーターではなく、当時の私のようにサラリーマン或いはサラリーマン家計の場合です。さらにお店負担とかではなく当人や家計に対し高い金利が付くので(担保がナイこともあり)。

他はショッピングと同じ。でも「直(じか)」なので厳しい、と。

クレジットカードのショッピングと「直」或いは「現ナマ」の借金を比べてみました! とても分かり易いな・・・。自分で言うな、と。

現ナマ

いつもサラ金がショッピング・クレジットカードより主役になるので、今回はより身近な後者を主役にしてみました。結論としては、大体同じ、です。

さて「外してもらう」方もややきついでしょう。一回ばっくれるとリストから抜ける要件もきつく、データが残る期間も長そう・・・。本業中の本業なので、ばっくれる(言っても返そうとしない)ともう貸さないし、ほとぼりも中々冷めない(すぐにはリストから消してくれない)。つまり遅れて返してもブラックリスト、或いはブラックに近いグレーリストに載り続ける、という感じでしょうか。

返せばいいというモノでもない。決められた期日に決められた額を返す。金利商売なんで時間も重要です!

ではAの観点で

単体ブラックリスト:やはり、まずこれです。我が身が大切、ということで・・・。

組織ブラックリスト:こちらのメリット・デメリットにもついても同じことが言えます。

が、競合同士の結びつきがショッピングよりやや強いような。「背に腹は代えられぬ」からです。額的にも大きく危ないので、固有情報資産(自社の情報収集や分析の独自性)のメリットを多少犠牲にしてもお互いのセーフティ・ネットとして共有しておく方がベター、というのか。ポストのスピードも速いかもしれません。

ちなみにこういった「共有」する業界団体のようなものにはいくつかあるようです(どこかの会社がリーダーとして集めているのではなく、組織として独立させている)。

具体的には以下のような信用情報機関が有名です。ご自身の情報も存在するはずです、有料ですがクレジットヒストリー(クレヒス)延滞情報などもオンラインや郵送でwebサイトから請求することができます。

CIC

JICC

全国銀行個人信用情報センター

ご興味があったら覗いてみて下さい。チクりを集計してシェアするコワい団体なのにほんわかした感じで、余計コワい・・・。

信用情報開示請求

そこら辺の銀行

個人の借金・法的債務整理という面では以上がメインですが、参考でみずほとかの一般の商業銀行についても考えてみましょう。以上がB2Cで、以下がB2Bです。

銀行の本業は個人相手ではなく(個人にも貸しますが)会社相手に投資資金を貸し出します。

これも「焦げ付き」や「不渡り」と呼ばれて、貸したのに期限までに返してくれない・・・という問題が昔から付きまとっています。

銀行

返さなくても、「お付き合い(取引)」があるので、陰でつまり社内でブラックリストやグレーリストに載せますが、そこは相手によりご相談です。今年はコロナで売れ行きが・・・という言い訳に納得が行けば、「なら、来年まで社長を信頼してお待ちしましょう!」となったり、ウソだろうと思ったら夜逃げされても困るので「銀行も道楽で商売をしているのではおまへん(工作機械でも何でも工場にあるもの全部売っぱらってでも今耳をそろえて返せ!)」となったりします。

ここら辺は微妙なブラックリストだと言えますね!

Aの観点も

単体ブラックリスト:これが銀行の生命線です。

組織ブラックリスト:「不渡り」があると他の銀行にも知れ渡る(他行に行っても何故かつなぎ資金を貸してくれない)・・・というのが昭和風のイメージですが、平成風には案外各社それぞれ、という感もあります。

法的にも「談合」っぽいイメージが良くない、ということもあるかもしれません。

B2Bの場合、規模からしてすぐ情報が世間一般に広まることもあり、裏社会めいた個人のカードローンほどは徹底していないかもしれません。

法的債務整理の世界

いわゆる「ブラックリスト」という点では、以上の借金ワールドが顕著です。

さて同じ借金絡みではありますが、やや違う意味で「事実上の」ブラックリストのようなものが法的債務整理の世界にもあります。

法的債務整理におけるメインの枠組み(手続き)である自己破産と任意整理に分けてどんなブラックリストが潜んでいるか、見てみます。

自己破産

こちらには二つ御座います。

  • 免責不許可要件(事由)
  • リピーター

免責不許可要件(事由)

自己破産は申請すれば借金が帳消しになるという大変便利な枠組みですが、何でもかんでも許すと皆借り放題で借金を消すので、条件を付けています。

つまり、不運の失業による生活苦等の「真面目な」人の借金なら無条件で消す。

一方、私のように飲酒で借金をこさえた人間やバクチ狂など「ふざけた」人間の借金なんか消してやらない。

バクチ狂

これが免責不許可要件です。「免責」とは「借金を返さなくてヨシ」という意味なので、それを許しません!! ということです。

それでも本当に反省すればほぼ通るので案外建前的ですが・・・基本そうなっています。

これがブラックリストの一種と考えられます。つまり、アル中やギャンブル狂は「最初から」ブラックリストに載っている!

外してもらう(免責を許可してもらう)にはひたすら謝る。で、気付いたらブラックリストに載っていた人でも案外外してもらえる。そんなブラックリスト。

ちなみにどう謝ったらいいかは私の別の記事で!

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自己破産における反省文の例文、ポイントは反省に徹しろ
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リピーター

コチラの方がいわゆるブラックリストっぽい。

つまり、一度自己破産をすると「癖になる」と困るので、二度目は無い。

これ、そのままブラックリストですね。具体的には、一度すると最低7年は再申請出来ません。

逆に外してくれる的な意味では、時間が経てば外してくれるのか。形式的にはそうです。7年経てばまた出来る。

でも7年経って申請出来ても、バクチ等で一回目は免責不許可要件にヒットしているながら何とか許してもらった人とかは睨まれる、つまり通る確率がグンと下がるようです。こういう意味では外れてもグレーリスト。

景気による失業や倒産等、真面目な理由の方は外れたらまた通るでしょう。何やってんだ・・・ぐらいは思われるでしょうが。

さてAの観点ですと「組織」ですね。国家の枠組みなんで。枠組みひとまとまりとしてみたら「単体」なのかもしれませんが・・・。

組織なんだろうか。例えば横浜地裁でやって、今度は東京地裁としようとしても、地域管轄が違っても当然裁判所同士通じており7年要件は生きるはずですので、まぁ「組織」でしょう。

任意整理

自己破産との対比で。

任意整理は「相対の交渉」なので、自己破産のような国家レベルでのブラックリストは存在しません。

が、債務者と貸し手の金融機関でせっかく条件の巻きなおしをしたのにまた約束を破った! 次は応じないぞ!! となると、事実上単体のブラックリストになりうる、とは言えます!

まとめ

ここまで読んで、ブラックリストって何なのって本質的なことが理解出来ました(パチパチ!)。では、理解したら法的債務整理がスムーズになるかというとそうでもないかもしれませんが、把握しておいて損は無い!

では箇条書きでまとめを

  • ブラックリストはキャバや中二社会にもある。
  • 明らかな法律違反でない限り、ブラックリストを作成して制裁を加えるのは個々人・各組織の「勝手」。
  • ブラックリストの禁止事項さえクリアすれば外してもらえたりする。
  • 一人・一社(単体)の場合も複数人・数社(組織)の場合もある。群れた方が当然制裁効果は高い。
  • 借金ワールドには単体は当然ある。返さないならもう貸さない。
  • メリット・デメリットがあるが、背に腹は代えられないので組織(ポスト・シェア制)のブラックリストもある。チクりの構造。
  • 法的債務整理の世界にも実はあった!
  • 自己破産は、そもそも門前払いのリスト(気付いたらそこに存在していた!)とリピーターお断りのリスト。前者はやりようによっては案外外れる。
  • 任意整理には基本ナイ。が、単体で出来ちゃうかも。

さて冒頭で申し上げましたが、私見としての結論を。借金ワールドのブラックリストですが、ブラックリストと聞いた感じはコワいもののもう貸してもらえないだけなので、今後借りないなら載っていても構わない、気がします。私も単体(各社)には少なくても載ってるはずですので・・・。

書いていて、色々コワいですね~という実感です。江戸幕府や北朝鮮を思い出しました。

ちなみに私が日本語より得意とするタイ語では「バンチー・ダム(リスト・黒、で語順が逆)」。だから何だ。

 

 

債務整理のFAQ

Q.口座の開設はできなくなるのか?

A.開設できる。

お金を借りること、カードでのお買い物等は一定期間できなくなりますが、銀行口座の開設は債務整理後も債務整理手続き中も
問題なく行うことができます。大手メガバンクやネット銀行関係なく、すべての金融機関において同じです。 

Q.クレジットカードは解約されるのか?新規で作れるのか?

A.債務整理を行うと保有カードは解約扱いとなる可能性が高く、新規申込も審査通過が難しくなる。

任意整理の場合は手続きの対象にする債権者を選択することができるので、クレジットカード会社を任意整理の対象から外せばクレジットカードを使い続けることが可能があります。しかし、任意整理を行うと信用情報機関に事故情報として登録され、加盟業者間で共有されます。
カード会社が途上与信を行ったり、カード更新時の審査を行ったりした結果、契約が解除されたり、利用限度額が大幅に減額されたりします。

Q.ローンは組めなくなる?借金をすることができなくなる?

A.一定期間はクレジットカードやローン等の信用取引の審査に通過できなくなる。

債務整理を行うとその事実が信用情報機関、いわゆるブラックリストに事故情報として登録されます。
事故情報は債務整理の方法によって、信用情報機関への登録期間が異なります。
主な信用情報機関と登録期間は以下となります。

CIC(シーアイシー) 任意整理・個人再生・自己破産共に5年以内 信販会社・クレジットカード会社が加盟している団体
JICC(日本信用情報機構) 任意整理・個人再生・自己破産共に5年以内 消費者金融・クレジットカード会社が加盟している団体
ISC(全国銀行個人信用情報センター) 任意整理は5年以内自己破産・個人再生は10年以内 全国の銀行が加盟している団体

 

信用情報機関の事故情報が削除された後であれば、ローンや借金ができる可能性があります。 

Q.賃貸物件から追い出される?賃貸できなくなる?

A.債務整理手続き前に賃貸契約し、居住中のマンション、アパート等から追い出されることはない。

賃貸契約する人の債務整理を理由に、大家や不動産会社が退去を求めてもよいといった法律はないからです。
しかし、賃貸物件を新規契約する際に、信販系の賃貸保証会社が付いている場合は注意が必要です。
住居申込みの審査において信販系の賃貸保証会社に事故情報が知られれば、
「家賃の支払い能力に問題がある」と判断され、家賃保証の審査に通らない可能性が高くなります。

Q.車や預金などの財産は処分される?

A.ローン返済中の車は没収対象になる可能性が高く、預金は金融機関からローンを利用していなければ口座凍結されない。

ローン返済中の車は、ローン会社が車を処分できるよう車の所有権をローン会社に留める「所有権留保」によって
没収対象になるケースがほとんどです。債務整理を行う前にローンを完済していたり、ローンそのものがなければ
車は債務者のものですので、ローン会社に車を処分されることはありません。
しかし、自己破産を行なった場合は、時価20万円以上の車や住宅は処分対象となります。
預金は金融機関から、銀行カードローンや住宅ローン、自動車ローン等を利用していなければ
口座凍結になりません。
債務整理の対象外の金融機関である場合は、口座凍結される心配は不要です。

Q.会社や家族にバレる?内緒にすることはできる?

A.任意整理は家族や会社にバレることはほとんどないが、個人再生・自己破産はバレてしまう可能性が高い。

任意整理でも100%バレないとは言い切れないです。自分で手続きを行う際に必要書類を集めたり、電話連絡や書類のやりとりの過程で家族にバレる可能性があります。弁護士や司法書士に依頼すれば書類集めや貸金業者とのやり取り等を代行してくれます。
個人再生、自己破産の場合は手続きの性質上、会社や家族にバレてしまう可能性が高いです。
たとえば、会社には退職金証明書を発行する際に用途を説明する必要があり、債務者の配偶者や家族に給与所得者がいる場合、収入を証明できる書類提出を必ず求められます。

Q.就職や転職に影響はある?

A.影響が出る可能性はかなり低い。

面接では債務整理の事実について告げる必要はないので、採用・転職先の企業に知られる可能性は非常に低いです。
ただし、個人再生や自己破産を行うと「官報公告」という機関紙に氏名や住所、個人再生や自己破産を行なった事実が掲載されます。
官報は政府が発行しており、基本的に誰でも閲覧が可能なのでそこからバレてしまい、就職や転職に影響する可能性はあります。

Q.債務整理をすることで会社を解雇される?

A.解雇されない。

債務整理を行うことで解雇されてしまうと心配される方がいらっしゃいますが、債務整理は解雇理由になりません。
債務整理後も引き続き勤務でき、自分から退職を申し出る必要もありません。 
ただし、借金問題を抱えていることで発生する周囲の人との金銭トラブルや精神的不調によって仕事上の問題があると
会社側も解雇等を検討せざるをえないでしょう。

Q.国民年金などがもらえなくなる?減額される?

A.もらえなくなったり、減額されたりしない。

国民年金等の公的年金は法律で制度が決まっており、債務整理をしたからといって年金がもらえなくなったり減額される規定はありません。
ただし、年金が金融機関に振り込まれて他の貯金と混ざってしまうと、年金と貯金の区別がつかなくなり、貯金と同様に差し押さえを受けてしまう可能性があります。

Q.パスポートは取得できる?失効する?

A.取得でき、失効もしない。


任意整理や自己破産、個人再生どの債務整理手続きであってもパスポートは取得可能であり、パスポートをすでに持っていても失効しません。
ただし、債務整理中に海外へ行くと、任意整理の和解不成立の要因となり個人再生の計画を立て直すことになる可能性があります。
自己破産の手続き中であれば海外へ行くには裁判所の許可が必要です。(自己破産の手続きの1つである「同時廃止事件」の場合は、居住制限がないため海外に行くことができます)

Q.結婚はできる?

A.債務整理をしても結婚できる


債務整理をしても結婚が制限されることは一切ありません。 自己破産中でも直後でも、結婚は可能です。

Q.戸籍や住民票に記録が残る?

A.残らない。

債務整理を行い信用情報機関に事故情報と登録されても、戸籍や住民票に記録が残ることはありません。
戸籍には自己破産など経済状況に関する記録項目はないため、債務整理後に戸籍謄本や住民票の提出することがあっても、債務整理の事実は記載されません。

Q.税金が減額・免除される?

A.減額されない。

債務整理を行なっても税金等は非免責債権とされているため免責や減額はできません。

Q.選挙権はなくなる?

A.選挙権がなくなることはない。


選挙権は公民権といって、政治に参加する地位や資格に関する権利ですので、選挙権や被選挙権を失うことはありません。

この記事を書いたのは
編集部キャップ/元・タジュウ
編集部キャップ/元・タジュウ
日本国内某一流大学を卒業後、米国一流校でMBAをトップクラスの成績で取得。Chartered Financial Analyst, CFA/日本証券アナリスト協会認定アナリスト, CMA取得済み。金融に関しての知識は世界トップクラス。ネイティブ並みの英語とタイ語能力を有す。大手町大手監査法人でM&Aアドバイザー職を経て右往曲折(紆余だけでなく。詳細は記事をご覧あれ)。現在は債務整理中央事務局で編集キャップとして活動中。コップンカップ!
私が監修しました
宮地祐樹
ひかり総合法律事務所
宮地祐樹 弁護士
所属:日本弁護士連合会/第二東京弁護士会/日本スポーツ法学会会員。調査案件:ベルマーレコンプライアンス委員会委員。経歴:早稲田実業学校高等部/早稲田大学法学部/北海道大学法科大学院/あさひ法律事務所。元Jリーグ下部組織でのプレー経験がある法曹界では珍しい異色の経歴を持つ。好きな色は青。幼少期から体育会系の世界で揉まれ育ち、人情に厚いながらも冷静沈着な仕事のスタイルが好評を得ている。訴訟案件を多く抱えながらも交渉案件も得意とし、日々、金融機関との交渉に励んでいる。